連分数

連分数とは

\[ \pi = 3+\dfrac{1}{7+\dfrac{1}{15+\dfrac{1}{1+\dfrac{1}{292+\cdots}}}} \]

というように、繁分数がずっと続いた形のものをいう。 数学らしく定義を書くならば実数 $x$ の連分数表記は 2 つの整数列 $\{a_n\}$、$\{b_n\}$ を使って

\[ x=a_0+x_1, \quad x_n=\frac{b_n}{a_n+x_{n+1}} \]

と書くことができる。また、最初に挙げた書き方では面積を取るため

\[ \pi = 3 + \frac{1}{7+} \frac{1}{15+} \frac{1}{1+} \frac{1}{292+} \cdots \]

や、後述する正則連分数を前提とした

\[ \pi = 3 + [7,15,1,292,\cdots] \]

といった書き方をすることがある。 この形をした $\pi$ の公式は公式カテゴリの連分数系ページに記してるのでそちらを見てもらいたい。 また、連分数での表現が有限である(ある $n$ 以降で $x_n=0$ になること) ことと、$x$ が有理数であることは同値である。 逆にいえば連分数展開が無限に続くことと無理数であることは同値となる。

連分数の中でも特に

\[ 0\leq x_n \lt 1, b_n=1 \]

という形に限定したものを正則連分数という。 その際には $b_n$ の情報が必要ないので $a_n$ だけを使って

\[ \begin{eqnarray} x &=& a_0 + [a_1, a_2, a_3, \cdots]\\ &=& [a_0 ; a_1, a_2, a_3, \cdots] \end{eqnarray} \]

という書き方をすることもある。

$\pi$ の値を正則連分数で表した最初の 100 項分は以下のとおりである。 より長い項数が欲しい場合は10000項分をテキストファイルにしておいた。

π = [3;
 7, 15, 1, 292, 1, 1, 1, 2, 1, 3,
 1, 14, 2, 1, 1, 2, 2, 2, 2, 1,
 84, 2, 1, 1, 15, 3, 13, 1, 4, 2,
 6, 6, 99, 1, 2, 2, 6, 3, 5, 1,
 1, 6, 8, 1, 7, 1, 2, 3, 7, 1,
 2, 1, 1, 12, 1, 1, 1, 3, 1, 1,
 8, 1, 1, 2, 1, 6, 1, 1, 5, 2,
 2, 3, 1, 2, 4, 4, 16, 1, 161, 45,
 1, 22, 1, 2, 2, 1, 4, 1, 2, 24,
 1, 2, 1, 3, 1, 2, 1, 1, 10, 2, ...]

連分数の応用

正則連分数表記から $\pi$ の "良い" 近似値を分数で出すことができる。 任意の $k$ において $x_k=0$ とし、通常の分数に変形するだけである。 元々 $0\leq x_k \lt 1$ であり、 それに 1 以上の整数 ($a_k$) を加えるのであまり大きな誤差にはならない。 以下に具体例を示す。

$k$ 連分数 分数 小数展開
1 [3;7] $\dfrac{22}{7}$ 3.142857...
2 [3;7,15] $\dfrac{333}{106}$ 3.14150943
3 [3;7,15,1] $\dfrac{355}{113}$ 3.1415929203...
4 [3;7,15,1,292] $\dfrac{103993}{33102}$ 3.1415926530119...